宵山の屏風祭

今回は“もうひとつの”祇園祭の話である。
毎年14〜16日の祇園祭・宵山のあいだ、 各山鉾町の旧家や老舗の呉服店などでは 「屏風祭(びょうぶまつり)」が開かれる。

祇園祭 屏風祭

屏風の「祭」なわけだが、神社の祭礼ではない。
通りに面した窓を開け放って、座敷に飾った屏風や織物などの美術品を一般に披露することである。
もともとは祇園祭の時期に、蔵に眠る所蔵品を虫干ししたことに由来する。 旧家の財力や芸術への造詣の深さを知ることができる、貴重な機会なのだ。

祇園祭 屏風祭

祇園祭 屏風祭

祇園祭 屏風祭

ぼくは綾小路通新町にある「杉本家住宅」を訪ねた。
ここは京都市の有形文化財に指定された京町家。仏文学者で随筆家の杉本秀太郎氏の生家でもある。
あくまで一般の方の住宅であるため普段は非公開だが1年のうち「屏風祭」の3日間に限り、一般見学(有料)ができる。

座敷へ上がらせていただく。すると飾ってあるコレクションの品々に、思わず目を見開く。
たとえば、俵屋宗達(たわらやそうたつ)の「秋草八曲屏風」。
たとえば、後陽成(ごようぜい)天皇が所蔵したとされる
「扇面祇園会図」。
これらを美術館ではなく、“自宅”で保管しているわけである。

「ッはぁ〜」。
と、しばし屏風の前で。来年、屏風祭に行くなら、あこがれの眼差しとため息をお忘れなく。

写真と文 / 高橋友和

■杉本家住宅・・・
下京区綾小路通新町西入る 
ただし「屏風祭」開催時を除き非公開



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