羅城門!

初対面の人に挨拶をするとき、自分の身だしなみを整えたり、
表情に気を配るのは大切だ。

接客業の世界では、
“お客さんの70%は、店へ入って7秒で、その店の良し悪しを
判断する”といわれている。
だから第一印象を良くするために、挨拶や応対をもっとしっかり…、と話はつながるわけである。

人の身だしなみや挨拶は、家に置き換えるなら門や玄関にあたる。
これらは、訪れる客人が最初に目にする場所だからである。

風水でみると、“気”の入り口でもある。
住まいの入り口をまめに掃除したり余計なものを置かないようにすると、良い“気”が入ってくるのだそうだ。

今から1200年前、とことん第一印象にこだわった門があった。

羅城門だ。

平安京の中央を走る朱雀大路(すざくおおじ)の南端に、柱を朱に塗り壁を白土で化粧して、幅35m奥行き9m高さ21mの巨大な門を建てたのである。
当時は外国使節が都を度々訪れていたから、東寺と西寺、羅城門の
“都の玄関口 超豪華3点セット”で彼らをあっと驚かせてやろうというつもりだったのだろう。

ところが門は幅と高さのわりには、奥行きがない。薄く切ったショートケーキのようなものだから、風にはめっぽう弱かった。816年に大風で倒壊。再建されるが、980年にまたもや暴風雨によって倒される。それ以降、2度と建てられることなく現代に至る。

じつは遺構はいまだに見つかっていない。1023年、“我が世の春”の藤原道長が、法成寺(ほうじょうじ)を造るために羅城門の礎石を片っ端から持ち去ったからである。

羅城門遺址

現在、京都市南区の唐橋羅城門町(からはしらじょうもんちょう)にある花園児童公園には、1895年に建てられた「羅城門遺址」と記す石碑がたたずむ。

羅城門は跡形もなく消えてしまったが、文学や映画、地名などに
かたちを変えて、ぼくたちの心の中に今でも建っている。

写真と文 / 高橋友和

■城門遺址・・・
近鉄東寺駅下車 徒歩約10分



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