five-storied pagoda

東寺 五重塔

高さ55mの東寺 五重塔。
現存する木造の塔としては日本最大にして、京都の景観的シンボルである。ただ塔が建立されてからもう4度も焼失していて、現在建っているのは、今から360年前の江戸時代のものだ。

東寺 五重塔

しかし落雷などで焼失したことはあっても、地震で倒れたことは今まで1度もない。
塔の内部が地震の揺れを小さくする、独特の構造になっている
からである。

この免震技術は、2011年に完成する高さ610mの新東京タワーに
受け継がれている。テレビが地デジになっても、ぼくたちが先人の知恵から学ぶことはまだまだあるのだ。

東寺

ぼくは今までいろんな史跡を巡ってきた。
そのたびに歴史の醍醐味を味わう。

歴史に登場する人々が「ここで何を思い、どんな言葉を発したのか」といった細かい部分は、残された史料や証言を基に推測するか、無理なら想像で埋め合わせるしかない。
その、想像で埋め合わせる作業が、実はいちばん楽しいんだなぁ。
現地へ行って自分の眼で過去の足跡をたどるから、なおさらだ。
ぼくの感受性のボリュームが目いっぱい右に回っているのが実感できるのである。

東寺 五重塔

幕末、鳥羽・伏見の戦い。

薩摩藩は東寺に陣を構えた。
西郷隆盛は五重塔へ上り、戦況を見つめていたという。
燃える京の街を見て西郷が何と言ったのかは、だれも知らない。

しかし今、ぼくが夕暮れの空を眺めていると、
何もいわないはずの五重塔がそっと、
真実を教えてくれるような気さえするのである。

写真と文 / 高橋友和

■東寺・・・
近鉄京都線 東寺駅下車 徒歩約3分



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