上賀茂さんは「2」がお好き

今年もあとわずかになりました。読者のみなさんはどんな1年でしたか?来年の願い・誓いはもう決まりましたか?風水旅日記で紹介している場所は、いまや初詣には欠かせない人気の場所でもあります。この日記を読んで初詣の下調べをしてみては?
さて前回に続き、上賀茂神社(賀茂別雷神社)について特集します。みどころ満載の神社です。

上賀茂神社

恥かしいことに現地に着いてからわかったのだが、上賀茂神社は1994年に世界文化遺産(世界遺産)に登録されている。
あの毎週日曜日に放送される『世界遺産』にダカダカダ〜ンッ!!などと登場してもおかしくない場所へ来てしまったのだ。

一の鳥居をくぐると、二の鳥居へとつづく参道がある。参道の両脇は芝生になっていて家族連れがお弁当をひろげていたり、親子で芝生の上をはしゃぐ光景がみられた。のどかである。ここがまさかダカダカダ〜ンな世界遺産の神社なんて思えない。
でも世界遺産(=世界的に普遍的な価値をもつこと)なんてものは、意外にサッパリしているものなのかもしれない。

上賀茂神社

神社内には神馬として「神山号」(こうやまごう)が飼われている。日曜、祝日には二の鳥居前の神馬舎で、この馬をみることができる。
上賀茂神社は日本の競馬発祥の地でもある。競馬会神事(けいばえしんじ)といって毎年5月5日、2頭の馬にそれぞれ騎乗し、走りながらその乗り方・式・作法を奉納するのだ。

上賀茂神社

二の鳥居をくぐると細殿(ほそどの)の前に奇妙な一対の砂の盛り合わせ(?)がある。  「立砂」(たてすな)という。
えんすい形なのは、この神社の背後にそびえる神山 (こうやま)をかたちどったものであるからだ。そして「立砂」は神様が降りるための 「よりしろ」(降臨する場所)を意味する。

現代でも鬼門、裏鬼門に清めの砂をまくが、この「立砂」が起源なのである。一対なのは、陰と陽を表現しているからだろう。形からして、「盛り塩」の原形にも思え てならない。
よーくみると、えんすい形の砂のてっぺんに松の葉が刺してあった。なんでも松は 神様のよりしろとされているのだそうだ。たとえば正月の門松。あれは縁起物(松竹梅)を3種類集めたという意味ではなく、 神様に来ていただくための道具なのだという。

上賀茂神社

本殿に入る前にまず、目に飛び込むのが楼門である。平安建築様式で、左右に回廊を持つ。その手前ゆるいカーブを描く橋、玉橋との相性が またいい。神社の中に川が流れていることは以前紹介したが、本殿は御手洗川(みたらしがわ) と御物忌川(ものいみがわ)の合流する、V字状に挟まれた位置に建っている。

水と水が交じり合う場所、風水的にみると“気”が集まる場所に本殿を建設した、と も考えられる。この川は合流した後、「ならの小川」と呼ぶ。この川では毎年6月30日、祈願者が みそぎをして身を清める、夏越大祓(なごしのおおはらえ)を行うことで有名だ。 百人一首の中にも藤原家隆が句を残している。

上賀茂神社

いよいよ本殿の内部へと思ったのだが、ご神体を祭っている関係でこれより 先は撮影禁止。中もちらっとのぞけるだけで、奥がはっきりと見えない。ここには国宝 の本殿と権殿が鎮座する。
ところが今、特別参拝の機会が設けられていて、国宝の本殿・権殿や宝物をじか にみることができる。しかも平安装束をした神職が神社の由緒や建物を特別に説明 してくれるのだ。

ぼくは中をどうしても見たかったので、申し込んでみた。(有料:500円)  国宝の本殿・権殿は、ふたつとも同じつくり、同じ大きさである。 流造(ながれづくり)といって屋根がスキーのジャンプ台みたいに、 べろーんと手前へ垂れていた。
全国の神社の建築様式は上賀茂神社をモデルにしているそうである。つまり上賀茂神社は日本の神社建築の発祥の地なのだ。
さて、もうおわかりだろうか。上賀茂神社は「2」にまつわるものが多い。2頭の馬、 2つの立砂、2つの川の合流、本殿・権殿の2つの社。。。  きっと風水の影響を受けているに違いないぞ。(こじつけじゃないってば。)

写真と文 / 高橋友和

■上賀茂神社・・・
JR京都駅からタクシーで約25分。
または地下鉄北大路駅から約5分。



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